ドメイン移転・URL変更のチェックリスト — 準備・当日・移転後に分けて確かめる

目次
この記事の結論:移転は「種類を見分ける→準備→当日→見守り」の順に進める
サイト移転(サイトの住所や置き場所を変えること)は、一度にやることが多く、何かが漏れやすい作業です。私がGoogleの移転ガイドとSearch Consoleのヘルプを読み込んで整理した要点は、次の4つです。
- 最初に「URLが変わる移転か」を見分ける — ドメイン変更・https化・URLの形の変更はURLが変わる移転、サーバーやホスティング会社の変更だけならURLが変わらない移転です。Googleはそれぞれ別のガイドを用意しています
- 準備の中心は「旧URLと新URLの対応表」 — 古いURLを洗い出し、1つずつ新しいURLを対応させます。Googleはこの対応付けを移転の中心的な作業として扱っています
- 当日は「転送・ブロック解除・アドレス変更・サイトマップ」 — 301リダイレクトを有効にし、テスト用の noindex などを外し、ドメインを変えた場合だけ Search Console のアドレス変更ツールを使います
- リダイレクトは1年以上、旧ドメインの契約も1年以上残す — Googleはリダイレクトをできるだけ長く、一般的には1年以上残すようすすめています。旧ドメインも少なくとも1年は更新を続けるよう案内しています
以下では、移転の種類の見分け方から、準備・当日・移転後のチェックリスト、よくある失敗の順に見ていきます。
1. まず「どの種類の移転か」を見分ける
ひとくちに「サイト移転」と言っても、中身はいくつかに分かれます。どれに当たるかで、やることが変わります。
| やりたいこと | URLは変わるか | 参照するGoogleのガイド | アドレス変更ツール |
|---|---|---|---|
| ドメインを変える(例: old-shop.jp → new-shop.com) | 変わる | URL の変更を伴うサイト移転 | 使う |
| サブドメインを変える(例: shop.example.com → store.example.com) | 変わる | 同上 | 使う |
| http から https にする | 変わる | 同上 | 使わない |
| www の有無を変える | 変わる | 同上 | 使わない |
| 同じドメインの中でURLの形を変える | 変わる | 同上 | 使わない |
| サーバー・ホスティング会社・CDNだけ変える | 変わらない | ホスティングの変更 | 使わない |
アドレス変更ツールとは、Search Console(Googleが無料で提供する、検索での見え方を確かめる道具)にある機能で、「このドメインは、あちらのドメインに引っ越しました」とGoogleに伝えるためのものです。ヘルプでは、http から https への変更、同じドメインの中でのページ移動、www の有無の切り替え、URLが変わらない移転には使わないと明記されています。
私が相談を受けていて多いのは、「https化なのにアドレス変更ツールを探している」というケースです。種類の見分けを最初に済ませるだけで、無駄な作業はかなり減ります。
この記事は主に、いちばん作業の多い「ドメインを変える移転」を例に進めます。ほかの種類でも、アドレス変更ツール以外の手順はほぼ共通です。
参考・引用: URL の変更を伴うサイト移転 - Google 検索セントラル ホスティングの変更(URL の変更を伴わないサイト移転) - Google 検索セントラル アドレス変更ツール - Search Console ヘルプ
2. 移転前の準備チェックリスト
移転の成否は、ほぼ準備で決まります。Googleの移転ガイドをもとに、初心者が押さえる項目を並べました。
新しいサイトの準備
- 新しいサイトを作り、テスト環境ですべてのページ・画像・フォーム・PDFが動くか確かめる
- テスト環境には noindex(検索に出さない指示)を付け、どこに付けたかを一覧にしておく
- https(暗号化された通信)に対応させる
- 新しいサイトの robots.txt(クローラーへの立ち入り指示のファイル)が、ブロックすべき場所だけを指定しているか確かめる
- Search Console で、新旧両方のサイトの所有権を確認しておく(www の有無、http・https の違いも含めて)
- アクセス解析のタグを入れ、新旧両方のサイトの利用状況を見られるようにする
- 移転直後はクロール(Googleの巡回)が一時的に増えるので、サーバーの余力を確かめる
中古ドメインを買った場合
新しいドメインを中古で購入した場合、前の持ち主の行為で、Googleから手動による対策(スパムなどへのペナルティ)を受けていないかを Search Console で確かめます。Googleの移転ガイドも、この確認を準備の項目に入れています。
旧URLと新URLの対応表を作る
ここが準備の中心です。
- 古いURLを洗い出す — Googleのガイドは、サイトマップ、サーバーのログ、アクセス解析、Search Console の「リンク」レポートなどを使って、重要なURLから集めるようすすめています
- 画像・PDF・動画も含める — 画像検索やほかのサイトからのリンクがあるためです
- 1行ずつ新しいURLを対応させる — スプレッドシートに「旧URL」「新URL」を並べるだけで十分です
- 対応する新ページがないURLを決める — 統合したページは、統合先のページへ301で転送します。内容に合う置き換え先がない削除ページだけ、新サイトで404か410(どちらも「見つからない」を表す番号)を返すようにします
実際に対応表を作ってみると、CMSの管理画面には出てこない古いURLが、アクセス解析やリンクのレポートから次々に見つかることに驚くはずです。私は、管理画面の一覧だけで対応表を「完成」とはしないようにしています。
時期と範囲を決める
Googleのガイドは、季節による変動も考えて、アクセスの少ない時期に移転することをすすめています。また、大規模なサイトは一部を先に移して影響を確かめてから、残りを移す方法も紹介されています。そして、デザインの刷新など、ほかの大きな変更とは時期をずらしましょう。Googleは変更を一度に1つずつ行うようすすめています。
最後に、主要なキーワードの順位とページごとの流入を記録しておきます。移転後に比べる基準がないと、何が起きたのか判断できないからです。
参考・引用: URL の変更を伴うサイト移転 - Google 検索セントラル HTTP ステータスコード、ネットワーク エラー、DNS エラーが Google 検索に与える影響 - Google 検索セントラル
3. 移転当日のチェックリスト
準備が整ったところで、当日の作業です。Googleのガイドの「移転を開始する」の手順を、順番どおりに並べました。
- 301リダイレクトを有効にする — 古いURLから、対応する新しいURLへ、恒久的な転送を設定します。転送は何段もつながず、最終的なURLへ直接向けます
- テスト用の noindex・robots.txt のブロックを外す — 準備で作った一覧を見ながら、すべて外します
- canonical を確かめる — 新しいページの canonical(代表URLの目印)が、そのページ自身の新しいURLを指しているか確かめます
- 転送が正しく動くか確かめる — 主要なURLは Search Console の URL 検査で、件数が多ければ専用のツールでまとめて確かめます
- ドメインを変えた場合だけ、アドレス変更ツールで申請する — 旧ドメインの www あり・なしなど、所有権を確認しているすべてのバリエーションについて申請します。使っていないものも含みます
- 新しいサイトマップを送信する — サイトマップはページの一覧をGoogleに伝えるファイルです
アドレス変更ツールで起きること
Search Console のヘルプによると、申請から180日間、Googleは新しいサイトのクロールとインデックス登録を優先し、どちらのページを代表として扱うかの判断でも新しいサイトを優先します。この期間は、新旧両方の Search Console に移転中であることが表示されます。
申請の前には、両方のサイトの所有者であることや、いくつかのページで301リダイレクトが設定されているかを確かめる簡単なチェックが走ります。重大な問題があれば、直すまで先へ進めません。ヘルプは準備として、旧サイトのトップページ(できれば主要なページも)から新サイトへの301リダイレクトを設定しておくよう案内しています。
301リダイレクトの種類や設定方法は「301リダイレクトとは」で詳しく解説しています。
参考・引用: URL の変更を伴うサイト移転 - Google 検索セントラル アドレス変更ツール - Search Console ヘルプ リダイレクトと Google 検索 - Google 検索セントラル
4. 移転後のチェックリスト
転送を有効にしたら終わり、ではありません。ここからの数週間が、本当の意味での移転期間です。
リンクを新しいURLに直す
- サイト内のリンク(メニュー、記事中のリンク)を新しいURLに書き換える
- 旧URLにリンクしているほかのサイトに、リンク先の変更をお願いする。アクセスの多いリンクから優先します
- SNSのプロフィール、広告のリンク先、名刺やパンフレットのURLも更新する
Googleのガイドは、リダイレクトは表示を遅くするので、内部リンクや多くの外部リンクは新しいURLに更新するよう書いています。
数字の変化を見守る
| 見る場所 | 期待される動き |
|---|---|
| Search Console のサイトマップ | 旧URLの登録数が減り、新URLの登録数が増えていく |
| 「ページのインデックス登録」レポート | 旧サイトの登録が減り、新サイトが増える。見慣れないエラーが急に増えていない |
| 検索パフォーマンス | 新しいURLの表示回数とクリック数が増えていく |
| アクセス解析 | 旧サイトへの訪問が減り、新サイトが増えていく |
Googleのガイドによると、旧URLのサイトマップにリダイレクトの警告が出ることがありますが、移転中は正常な状態なので気にしなくてかまいません。
どのくらいで落ち着くのか
Googleは、移転中に検索順位が一時的に変動するのは通常のことだと説明しています。中規模のサイトでも、新しいURLが段階的に表示されるまで数週間以上かかることがあり、大規模なサイトはさらに時間がかかります。
私がこの数字を読んで感じるのは、「1週間で結論を出さない」ことの大切さです。移転はURL単位で少しずつ進むので、途中経過だけを見て焦らないようにしましょう。
5. URLが変わらない移転(サーバーの引っ越し)の場合
サーバーやホスティング会社を変えるだけで、URLは変わらない。この場合は、Googleの「ホスティングの変更」のガイドに沿います。リダイレクトもアドレス変更ツールも要りません。
- 新しいサーバーにサイトを複製し、テストする(テスト用のホスト名を使うなら noindex を付ける)
- 移転の少なくとも1週間前に、DNS(ドメインとサーバーを結びつける仕組み)の TTL という設定値を数時間程度に短くしておく。切り替えが早く行き渡るようになります
- ファイアウォールなどの防御設定が、Googlebot(Googleのクローラー)をブロックしていないか確かめる
- テスト用のブロックを外し、DNSを新しいサーバーに向ける
- 旧サーバーへのアクセスがゼロになったのを確かめてから、旧サーバーを止める
Googleのガイドによると、切り替え直後はGooglebotのクロールが一時的に減るのが普通で、その後の数日で回復していきます。
6. いつまで残すか:リダイレクトと旧ドメイン
移転で意外と迷うのが、「いつまで古いものを残しておくか」です。Googleの資料に書かれている期間をまとめます。
| 残すもの | Googleのすすめ |
|---|---|
| 301リダイレクト | できるだけ長く、一般的には1年以上。ユーザーのためには無期限も検討 |
| アドレス変更ツールの適用期間 | 申請から180日間。リダイレクトは最低180日、Google検索からの流入が残っていればそれ以上維持 |
| 旧ドメインの契約 | 少なくとも1年は更新を続ける |
資料を読み比べて面白いと感じたのは、「1年」「180日」「無期限も検討」と、期間がそれぞれ別の目的で書き分けられている点です。180日を過ぎると、Googleは新旧のサイトの関係を考慮しなくなり、旧サイトは無関係なサイトとして扱われると、ヘルプには書かれています。旧ドメインの契約が切れて他人の手に渡ると、そのドメインへのリンクや転送が使えなくなる点にも注意が要ります。
参考・引用: URL の変更を伴うサイト移転 - Google 検索セントラル アドレス変更ツール - Search Console ヘルプ
7. よくある誤解・失敗例
最後に、移転でよく聞く誤解と失敗を整理します。リニューアル全般の失敗は「サイトリニューアルで検索流入が消える典型ミス5つ」でも扱っています。
誤解1:「301リダイレクトをすると、評価が目減りする」
Googleの移転ガイドは、301などの恒久的なリダイレクトでPageRank(リンクによる評価)が失われることはないと書いています。率直に言って、転送を怖がって設定しないほうが、よほど損です。
誤解2:「https化でもアドレス変更ツールを使う」
使いません。アドレス変更ツールはドメインやサブドメインを変えるときのものです。https化は301リダイレクトとサイトマップの更新で対応します。
失敗例1:移転したばかりのサイトを、すぐまた移転した
A→Bへ移ったばかりなのに、続けてB→Cへ移す。Search Console のヘルプは、移転を連鎖させないよう書いており、A→Bの直後にB→Cのアドレス変更を申請することはできないとしています。
失敗例2:複数のサイトを一度に1つへまとめた
ヘルプは、複数の移転を1つの場所へ同時にまとめないようすすめています。1つずつ移し、トラフィックが落ち着いてから次へ進みます。
失敗例3:移転が終わったと思い、旧ドメインを解約した
リダイレクトは旧ドメインのサーバーが動いていて初めて働きます。旧ドメインを手放すと、古いURLへのリンクやブックマークはすべて行き止まりになります。
参考・引用: URL の変更を伴うサイト移転 - Google 検索セントラル アドレス変更ツール - Search Console ヘルプ
8. 自分のサイトで確かめるには
対応表を作るときに迷うのが、「どのURLから優先して確かめるか」です。検索から実際に人を連れてきているページが最優先です。LinkSurgeのランクインキーワード分析では、ドメインを入れると、検索結果に順位を持っているキーワードとページを一覧で確認できます。移転前に旧ドメインで一度確かめておくと、優先順位をつけやすくなります。
移転の前後で順位を比べるには、移転の数週間前から記録を始めておくのが確実です。LinkSurgeの順位チェックツールでは、登録したキーワードの順位を毎日自動で記録できます。
移転後のテンプレートごとの設定確認には、AI Ready診断で robots.txt や canonical の設定を項目ごとに見る方法もあります。Search Console の使い方に慣れていない方は「Search Consoleの最初の1時間」から読んでみてください。

LinkSurge
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確認チェック
問1:http から https に変えるとき、アドレス変更ツールは使いますか?
答え:使いません。アドレス変更ツールはドメインやサブドメインを変えるときのもので、https化は301リダイレクトとサイトマップの更新で対応します。
問2:アドレス変更ツールで申請すると、何日間、新しいサイトが優先されますか?
答え:180日間です。この間、Googleは新しいサイトのクロールとインデックス登録を優先します。リダイレクトは最低180日、流入が残っていればそれ以上維持します。
問3:URLが変わらないサーバーの引っ越しで、旧サーバーを止めてよいのはいつですか?
答え:旧サーバーへのアクセスがゼロになったことを確かめてからです。Googleのガイドもそのタイミングでの停止を案内しています。
よくある質問(FAQ)
ドメイン移転で検索順位は下がりますか?
Googleは、移転中に順位が一時的に変動するのは通常のことだと説明しています。中規模のサイトでも、新しいURLが表示されるまで数週間以上かかることがあります。正しく転送し、ブロックを外していれば、時間とともに落ち着くのが一般的です。
旧URLのリダイレクトは、いつ外してよいですか?
Googleは、できるだけ長く、一般的には1年以上残すようすすめています。アドレス変更ツールを使った場合も、最低180日、Google検索からの流入が残っていればそれ以上維持します。ほかのサイトのリンクや読者のブックマークのためにも、長く残すほうが安全です。
移転とリニューアルを同時にしてもいいですか?
すすめられません。Googleは大きな変更を一度に1つずつ行うようすすめています。Search Console のヘルプも、移転と同時にコンテンツやURL構造を作り変えると、トラフィックが落ちる可能性が高いと注意しています。
中古ドメインに移転するとき、気をつけることはありますか?
前の持ち主の行為で、手動による対策を受けていないかを Search Console で確かめます。対策が残っている場合は、問題を解決してから再審査を依頼します。
まとめ:対応表と記録を先に作り、移転は1回に1つ
移転を決めたら、作業に入る前に、旧URLと新URLの対応表を作り、順位と流入の記録を始めましょう。当日は転送・ブロック解除・アドレス変更・サイトマップの順に進め、移転後は数週間かけて新旧の数字の入れ替わりを見守ります。リダイレクトと旧ドメインは、少なくとも1年は残します。
この記事は第3弾「よくある失敗と、困ったときの対処」の2本目です。前の記事は「サイトリニューアルで検索流入が消える典型ミス5つ」、次に読む記事は「「順位が下がった」とき最初に確認すること」です。シリーズ全体の順番は「SEO・GEO・AIO 入門カリキュラム」、言葉に迷ったら「SEO用語集」をご覧ください。
LinkSurgeの順位チェックツールでは、移転の前後で主要キーワードの順位を毎日記録し、新しいドメインでの戻り具合を確かめられます。


