Googleが品質の4つの基準を明文化 — 「労力・独自性・技能・正確性」と、AIで記事を作るときの公開前チェックリスト

目次
この記事の結論:AIを使うこと自体は問題ではない。「人の手が入っていない量産」が問題になる
Googleは2026年10月上旬、検索セントラルの2つのドキュメントを更新しました。生成AIコンテンツのガイダンス(10月1日)と、有用なコンテンツの作り方のページ(最終更新10月5日)です。両方を読み比べて見えてきた要点は次の5つです。
- 品質を見る対象は「メインコンテンツ」 — ページの目的を直接果たす部分のことで、本文や画像だけでなく、計算ツール、レビュー、タブの中の情報、タイトルや見出しも含まれます
- 基準は「労力・独自性・才能や技能・正確性」の4つ — 品質評価者がメインコンテンツを評価するときの基本的な観点として明記されました。生成AIで大量の文章を人の監督や選別なしに作ることは「労力がほとんどない」例に挙げられています
- 出典を示しても、独自の労力の代わりにはならない — 他のサイトの情報をまとめて出典を並べるだけでは、労力の基準を満たさないとはっきり書かれました
- AIの出力は公開前に人の手でファクトチェックする — 生成AIは事実を検索するのではなく、ありそうな単語の並びを予測しているため、誤りを含みうるからです。対象は本文だけでなく、タイトル、メタディスクリプション、構造化データ、画像の代替テキストにも及びます
- 架空の著者は「欺瞞」として低品質のシグナルになる — AIで作った顔写真や架空の名前、偽の経歴で専門家が書いたように見せることは、欺瞞の一形態と明記されました
以下では、何が変わったのか、メインコンテンツとは何か、4つの基準の読み方、公開前チェックリスト、9月のスパムアップデートとの関係の順に見ていきます。
1. 何が変わったのか:10月上旬の2つの更新
まず事実関係です。Googleの「ドキュメントの更新履歴」と各ページの最終更新日から、変更は次のように確認できます。
| 日付 | 対象 | 主な変更 |
|---|---|---|
| 2026年10月1日 | 生成AIコンテンツの使用に関するガイダンス | 品質評価ガイドラインの内容を反映。公開前の手作業によるファクトチェックを明記 |
| 2026年10月5日(最終更新日) | 有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成 | 「メインコンテンツ」の定義、4つの基準、架空の著者情報についての注意を追記 |
生成AIのガイダンスの更新理由について、Googleは「開発者イベントで使っている説明内容とドキュメントをそろえるため」としています。新しいルールができたというより、これまで品質評価ガイドラインに書かれていた考え方が、検索セントラルの公式ドキュメントにも載った、と読むのが自然です。
生成AIのガイダンスでは、品質評価ガイドラインの2つの節が名指しで参照されています。大量生成されたコンテンツの不正使用(4.6.5)と、労力・独自性・付加価値がほとんどないメインコンテンツ(4.6.6)です。
参考・引用: Latest documentation updates - Google Search Central Google Search's guidance on using generative AI content on your website - Google Search Central Creating helpful, reliable, people-first content - Google Search Central
2. メインコンテンツとは何か
Googleは、メインコンテンツを「ウェブページの目的を直接果たす部分」と定義しました。ページの主な意図によって中身は変わりますが、例として次の5つが挙げられています。
| 種類 | 例 |
|---|---|
| 主なテキストとメディア | 本文、記事、画像、音声、動画 |
| 操作できる機能 | 計算ツール、オンラインツール、ゲーム、サイト内検索 |
| ユーザーの投稿 | フォーラムの議論、レビュー、コメント(ページの目的を直接果たす場合) |
| タブや展開で表示される部分 | 製品仕様、安全上の注意、ユーザーレビュー |
| ページタイトルと見出し | ページ全体の主題をまとめ、訪問するかどうかの判断を助けるもの |
見落としやすい2つのポイント
面白いのは、タブの中の情報とタイトル・見出しが明示的に入ったことです。「タブに隠した内容は評価されない」という話を耳にすることがありますが、Googleはタブの中もメインコンテンツになりうると書いています。
もう1つはタイトルと見出しです。ページの中身を正しく要約していない見出しや、大げさなタイトルは、それ自体がメインコンテンツの質を下げる要素として扱われうるわけです。同じページの質問リストにも、見出しやタイトルが誇張や衝撃的な表現を避けているかを確かめる項目があります。
参考・引用: Creating helpful, reliable, people-first content - Google Search Central
3. 4つの基準をどう読むか

メインコンテンツを押さえたところで、本題の4つの基準です。Googleは、品質評価者がメインコンテンツの基本的な性質として次の4つを評価するよう訓練されている、と説明しています。
| 基準 | Googleの説明(要約) | 低い例 |
|---|---|---|
| 労力 | コンテンツや、それを支える仕組みにどれだけ人の作業が入っているか | フィードからページを自動生成する、生成AIで大量の文章を人の監督や選別なしに作る |
| 独自性 | 他のサイトでは得られない、独自の情報や視点があるか | 他のサイトの内容を言い換えてまとめるだけ |
| 才能や技能 | 満足のいく体験を提供するのに必要な技能や専門性があるか(分かりやすい文章、よくできた動画、正しく動くツールなど) | 読みにくい文章、動かないツール |
| 正確性 | 情報を伝えるページでは事実として正確か。YMYLの話題では、非常に正確で専門家の合意と一致している必要がある | 確かめられる事実の誤り |
「労力」の基準がいちばん厳しく書かれている
4つのうち、私がいちばん踏み込んでいると感じたのは労力の基準です。高い労力の例として、独自の分析を書く、詩を手作業で翻訳する、ゲーム用の地図を独自に作る、が挙がっています。その一方で、「出典を示したり他の情報源の功績を認めたりすることは、独自の労力の必要性を置き換えない」とも書かれました。
これは、ネット上の情報をAIでまとめて出典リンクを並べる作り方に、直接当てはまる一文です。出典を示すことは読者の信頼のために大切ですが、それだけでは「労力」とは見なされない、ということです。
「技能」はいつも専門家である必要はない
才能や技能の基準には、すべてのコンテンツに専門性が必要なわけではない、という補足があります。例として、雪かきの新しいやり方を見つけた人がその体験を書くのに、特別な専門性は要らないと書かれています。体験そのものが価値になる話題では、専門家の肩書きより、実際にやってみた具体的な記録が効くと読めます。
正確性は、話題によって求められる水準が変わる
正確性は、健康・お金・安全など人生に大きく関わるYMYLの話題で基準が上がります。「正確」だけでなく「専門家の合意と一致している」ことまで求められる点に注意しましょう。
なお、品質評価者の評価は検索順位に直接は使われません。Googleは評価者のデータを、レストランが客から受け取る感想カードのようなものだと説明しています。4つの基準は「チェックすれば順位が上がる項目」ではなく、Googleのシステムが目指している方向を示すものとして読むのが正確です。
AI検索の専門家調査でも、独自・一次情報や引用可能な具体的事実は上位の要因に挙がっていました。詳しくは「Google AI検索のランキング要因13項目」で解説しています。
参考・引用: Creating helpful, reliable, people-first content - Google Search Central Search Quality Rater Guidelines - Google
4. AIで記事を作るときの公開前チェックリスト
4つの基準と生成AIのガイダンスを、公開前に確かめる項目に落とし込みます。AIを使うかどうかではなく、人の手がどこに入っているかを確かめる、という発想です。

中身のチェック
- 事実を一次情報で確かめたか — 数値、日付、固有名詞、引用は、AIの出力をそのまま使わず、元の資料を開いて照合します
- 自分たちにしかない情報が入っているか — 自社の実測データ、試した結果、顧客の声、現場の写真など。まとめと出典だけで終わっていないかを見ます
- YMYLの話題で、専門家の合意とずれていないか — 健康やお金の記事は、専門家の監修や公的機関の資料との照合を入れます
- 見出しとタイトルが中身を正しく要約しているか — 誇張した表現や、本文にない約束をしていないかを確かめます
周辺情報のチェック
- タイトル・メタディスクリプション・構造化データ・画像の代替テキストも確かめたか — 生成AIのガイダンスは、検索結果に出うるこれらの情報も公開前の確認対象だと明記しています。構造化データは、各機能のポリシーに沿っているかとマークアップの検証もあわせて行います
- 著者情報は実在の人物か — AIで作った顔写真、架空の名前、偽の経歴は「欺瞞」とされています。書いた人、監修した人を正しく載せます
- 作り方を伝えるべきページで説明しているか — 読者が「これはどう作られたのか」と思いそうなページでは、自動化やAIをどう使ったかを説明することをGoogleは勧めています。ECサイトでは、Merchant CenterがAI生成画像のメタデータ付与を求めています
量産のチェック
- 公開の判断を、本数ではなく1本ごとにしているか — 生成AIのガイダンスは、付加価値のないページを大量に作ることはスパムポリシーの「大量生成されたコンテンツの不正使用」に当たりうるとしています
- 内容を変えずに日付だけ新しくしていないか — 有用なコンテンツのページは、中身を実質的に変えずに日付を更新することを、検索エンジン向けのコンテンツの警告サインに挙げています
私たちのブログでも、記事の数値と出典は公開前に元の資料を開いて照合しています。地味な作業ですが、この工程がAIの誤りを止める最後の関門になります。過去には、根拠を確かめられない数値を自社の評価基準から外したこともあります。経緯は「「FAQスキーマで引用率3.2倍」は本当か」に書きました。
参考・引用: Google Search's guidance on using generative AI content on your website - Google Search Central Spam policies for Google web search(Scaled content abuse) - Google Search Central Creating helpful, reliable, people-first content - Google Search Central
5. 9月のスパムアップデートとの関係
ドキュメントの更新とほぼ同じ時期に、Googleは「2026年9月のスパムアップデート」を実施しました。検索ステータスダッシュボードの記録では、日本時間の9月25日1時15分に始まり、10月8日17時に完了しています。8月19日から21日(日本時間)にも別のスパムアップデートがありました。
ただし、9月のスパムアップデートがAIコンテンツを狙ったものだとGoogleは説明していません。時期が重なっているだけで、ドキュメントの更新と直接結びつける根拠はない点に注意しましょう。
それでも、9月末から10月上旬に順位が大きく動いたサイトは、2つの観点で見直す価値があります。1つはスパムポリシー、特に大量生成されたコンテンツの不正使用に当たるページがないか。もう1つは、今回明文化された4つの基準に照らして、労力と独自性の薄いページがないかです。
順位の動きは、Search Consoleのほか、LinkSurgeの順位チェックでもキーワードごとに追えます。変動をどう見ればよいかは「検索順位はどのくらいの頻度で見ればいいのか」で解説しています。

LinkSurge
linksurge.jp
SEO・AIO・GEO統合分析プラットフォーム。AI Overviews分析、SEO順位計測、GEO引用最適化など、生成AI時代のブランド露出を最大化するための分析ツールを提供しています。
よくある質問(FAQ)
AIで書いた記事は、Googleの評価で不利になりますか?
AIを使うこと自体は不利になりません。Googleが問題にしているのは、付加価値のないページを大量に作ることや、人の監督や選別なしに大量の文章を作ることです。事実の確認、独自の情報の追加、正しい著者情報があれば、AIを下書きや構成に使うことは問題ありません。
「メインコンテンツ」には何が含まれますか?
ページの目的を直接果たす部分です。本文や画像、動画のほか、計算ツールなどの機能、ページの目的に沿ったレビューやコメント、タブの中の情報、ページタイトルと見出しも含まれます。
出典を明記すれば、他サイトの情報をまとめた記事でも問題ありませんか?
出典の明記は読者の信頼のために大切ですが、Googleは「出典を示すことは独自の労力の代わりにならない」と書いています。まとめに加えて、自社の実測、試した結果、独自の分析など、他では得られない情報を足すことが求められます。
公開前のファクトチェックは、本文だけでよいですか?
本文だけでは足りません。生成AIのガイダンスは、タイトル、メタディスクリプション、構造化データ、画像の代替テキストも、検索結果に表示されうるため確認対象だとしています。
まとめ:AIの下書きに、人の手を「見える形」で足す
今回の更新で、Googleが見ている点がかなり具体的になりました。最初にやることは、AIで作った記事の中から、まとめと出典だけで終わっているページを洗い出すことです。そうしたページに、自社の実測や試した結果を足せるかを1本ずつ判断します。
次に、公開前の確認工程を決めます。数値と固有名詞の照合、タイトルや構造化データの確認、著者情報の確認を、担当者と手順として決めておくと抜けが減ります。本数を増やすより、1本ごとに人の手が入っていることを優先しましょう。
LinkSurgeのGEO引用最適化分析では、ページがAIに引用されやすい状態になっているかを診断し、改善すべき点を確認できます。

