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記事を書く前に検索結果を見るべき理由 — 検索意図の入門

緒方亜朗2026-10-1319分で読了
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記事を書く前に検索結果を見るべき理由 — 検索意図の入門

この記事の結論:書く前に一度検索して、「この言葉で探す人は何を求めているか」を確かめる

記事を書き終えてから「この言葉で検索しても、出てくるのは通販サイトばかりだった」と気づく。初心者のころに私も何度か経験した失敗です。原因は、書く前に検索結果を見ていなかったことにあります。要点は次の4つです。

  1. 検索意図とは、その言葉で検索した人が本当に知りたいこと・したいこと — Googleは、関連性の高い結果を返すには、検索クエリの背後にあるユーザーの意図を理解する必要があると説明しています
  2. 検索結果は、言葉によって形そのものが変わる — Googleの説明では、「自転車修理店」ならローカル検索結果(地図とお店の一覧)が出やすく、「最新の自転車」なら画像が出やすいとされています。並び方を見れば、どんな答えが求められていそうかの手がかりになります
  3. 見るときは5つの手順で十分 — ログインしていない状態で検索し、ページ全体の部品を見て、上位のページの種類とタイトルをメモし、何本か開いて「どんな問いに答えているか」を確かめます
  4. 上位のページは「正解」ではなく「手がかり」 — まねして寄せ集めた記事は、Googleが見直しを勧める「価値を付け加えずに他の人の意見を要約した」コンテンツになりかねません。足すべきは自分の経験や一次情報です

以下では、検索意図の基本から、検索結果を見る具体的な手順、見たあとに決めること、よくある失敗まで順に解説します。


1. 検索意図とは何か

一言でいうと「検索窓の言葉の、奥にある目的」

検索意図とは、ある言葉で検索した人が、本当は何を知りたいのか、何をしたいのか、という目的のことです。検索窓に入力されるのは数語の言葉だけですが、その奥にはそれぞれの状況と目的があります。

たとえば「カレー」とだけ検索した人を想像してみてください。作り方を知りたい人もいれば、近くのカレー屋を探している人も、カロリーが気になる人もいます。言葉は同じでも、求める答えはまったく違うわけです。

Googleも「意図の理解」から始めている

Googleは、検索結果の順番を決める仕組みを説明したページで、関連性の高い結果を返すには、ユーザーが何を探しているのか、つまり検索クエリの背後にあるユーザーの意図を理解する必要があると書いています。そのために言語モデルを作り、入力された比較的少ない語句から、最も役立つコンテンツを導き出す方法に取り組んでいる、という説明です。

同じページには、検索の性質によって重視する要素が変わるという話もあります。現在のニュースを検索する場合は、辞書の定義よりもコンテンツの新しさが大きな役割を果たす、という例です。

書き手の側から見れば、話はシンプルです。検索する人の目的に合っていない記事は、どれだけ丁寧に書いても、その言葉で探している人の役には立ちにくいのです。

参考・引用: Google によるランキング結果の決定方法 - Google 検索


2. 検索意図はどう分けて考えるのか

Googleの評価者向けガイドラインにある4つの分け方

Googleには、検索結果が適切かどうかを人の目で確かめる「検索品質評価者」という役割があります。その評価者向けのガイドライン(英語)では、検索クエリを次のような意図を1つ以上持つものとして考えると役立つ、と書かれています。

ガイドラインでの呼び名意味検索語の例(日本語の例は筆者による)
Know(知りたい)情報を見つけたい、あるテーマを調べたい「ふるさと納税 仕組み」
Do(したい)何かを達成したい、行動したい「年賀状 テンプレート ダウンロード」
Website(特定のサイトへ行きたい)特定のウェブサイトやページを探している「〇〇銀行 ログイン」
Visit-in-person(行きたい)お店や施設に実際に行きたい「近くの歯医者」

なお、評価者はページの順位を直接操作できず、評価のデータがランキングのアルゴリズムで直接使われることもない、とGoogleは説明しています。ガイドラインは「Googleが検索結果に何を求めているか」を知るための資料として読むのがよいでしょう。

SEOの解説では「情報収集型・案内型・取引型・比較検討型」の4分類もよく使われます。こちらの分け方と、それぞれに合ったページの作り方は「検索意図とは?SEOにおける4つの分類と分析・最適化の実践ガイド」で詳しく解説しています。

1つの言葉に、意図が複数あることも多い

同じガイドラインは、多くの検索クエリには複数の意味があると書いています。例として挙がっているのは英語の「apple」で、パソコンのブランドか果物かの2通りが考えられます。そのうえで、ほとんどの人が意味するもの、多くの人が意味するもの、少数の人が意味するもの、と分けて考える方法が示されています。

意味は時間とともに変わることもあります。ガイドラインでは「iphone」という検索語が、発売当初は初代の機種を、いまは最新か次の機種を指すようになった、と説明しています。

分類の名前を覚えることより、「この言葉で検索する人は、1種類ではないかもしれない」と考える癖をつけるほうが、実務では役に立ちます。

参考・引用: Search Quality Rater Guidelines(英語・PDF) - Google 有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 - Google 検索セントラル


3. なぜ「書く前に」検索結果を見るのか

検索結果の形は、言葉ごとに変わる

Googleの検索の仕組みのガイドには、検索語句によって検索結果ページに表示される機能も変わる、と書かれています。例は「自転車修理店」と「最新の自転車」です。前者では高い確率でローカル検索結果が表示されて画像は出ず、後者ではローカル検索結果が出ずに画像が表示される可能性が高い、とされています。

つまり検索結果のページは、その言葉に対してGoogleがいま「どんな形の答えが役立ちそうか」を並べた一覧として読めます。お店を開く前に、その通りを実際に歩いてみるようなものです。人通りや、すでに並んでいるお店の種類を見れば、何を売れば喜ばれそうかの見当がつきます。

書く前なら、方向転換が安い

検索結果を見るのは、書き終えたあとでも遅くはありません。ただ、書き終えてから「求められていたのは商品の比較表だった」と分かると、直すのは大仕事です。書く前に5分見るだけで、記事の形そのものを選び直せます。

私がこの手順を人に勧めるのは、道具も費用も要らないからです。必要なのは、ブラウザと、少しの観察だけです。

参考・引用: Google の検索エンジンの仕組み、検索結果と掲載順位について - Google 検索セントラル Google 検索の視覚要素ギャラリー - Google 検索セントラル


4. 検索結果を見る5つの手順

ここからは実際の手順です。メモ帳を1つ用意して進めてください。

ステップ1:ログインしていない状態で検索する

ブラウザのシークレットウィンドウ(閲覧履歴を残さないモード)を開いて検索します。Googleのヘルプによると、ログインしている人には、予測入力に過去の検索の履歴や、Googleでの活動にもとづく候補が表示されることがあります。普段どおりにログインした画面で見ると、自分向けの候補が混ざりうるわけです。

ただし、ログインしていなくても同じ画面になるとは限りません。Googleの説明では、検索結果は所在地・言語・デバイス(パソコンかスマートフォンか)などによっても変わります。「自分の画面はあくまで一例」と考えておきましょう。スマートフォンで探す人が多そうなテーマなら、スマートフォンでも同じ言葉を検索してみます。

ステップ2:ページ全体の「部品」を見る

いきなり1位のページを開かず、まずは結果ページを上から下まで眺めます。どんな部品が出ているかで、求められている答えの形が見えてきます。

出ている部品読み取れそうなこと
AI による概要(AI Overviews)複数の情報をまとめて知りたい人が多いのかもしれない
地図とお店の一覧実際に行ける場所を探している人が多そう
画像や動画が多い見た目や手順を、目で見て確かめたい人が多そう
商品と価格の一覧買うものを選んでいる段階の人が多そう
他の人はこちらも質問関連して気になっている質問の一覧として使える

AI による概要が何なのかは「AI Overviewsとは」で解説しています。

ステップ3:上位10件の「ページの種類」をメモする

次に、上位のページがどんな種類かを書き出します。解説記事、比較記事、商品ページ、公式サイト、お店のページ、Q&Aサイト、動画などです。

解説記事が7件並んでいるなら、解説を読みたい人が多いと考えられます。商品ページばかりなら、ブログ記事で上位を目指すのはかなり難しい、という判断材料になります。

ステップ4:タイトルを並べて、共通する切り口を探す

上位のページのタイトルを並べてみると、「初心者向け」「費用」「比較」「手順」など、くり返し出てくる言葉に気づきます。それが、この言葉で探す人の多くが気にしている切り口の手がかりです。

ステップ5:2〜3ページ開いて「答えている問い」を書き出す

最後に、上位のページをいくつか開いて、どんな問いに答えているかを箇条書きにします。そのうえで、自分の記事で答える問いを決めます。

ここで大事なのは、上位のページにない情報で、自分が出せるものを探すことです。実際に使ってみた感想、自社で集めた数字、現場でよく受ける質問。そうした自分ならではの情報が、記事の価値になります。

メモの例

ある言葉で調べたときのメモは、たとえば次のようになります(架空の例)。

  • 検索語:在宅ワーク 椅子 腰痛
  • 出ていた部品:AI による概要、商品の一覧、他の人はこちらも質問
  • 上位10件:比較記事6件、商品ページ3件、Q&Aサイト1件
  • 共通する切り口:「選び方」「おすすめ」「価格帯」
  • 自分が出せるもの:実際に3脚を半年ずつ使った記録

参考・引用: Google の検索エンジンの仕組み、検索結果と掲載順位について - Google 検索セントラル Google の予測入力候補の仕組み - Google 検索 ヘルプ Google 検索の視覚要素ギャラリー - Google 検索セントラル


5. 見た結果から何を決めるのか

検索結果を見終えたら、次の3つのどれかを決めます。

決めること1:そのまま書く

上位に解説記事が並び、自分が答えられる問いがはっきりしているなら、書き始めて大丈夫です。メモした問いを見出しの候補にすると、構成も決めやすくなります。

決めること2:ページの種類を変える

求められているのが商品ページや、お店の情報だった場合は、ブログ記事ではなく、商品ページやお店のページを整えるほうが合っています。「記事を書く」以外の答えが正解になることも、検索結果から分かるわけです。

決めること3:言葉を変える、または書かない

意図がばらばらで、自分の読者に合う人が一部しかいない言葉なら、もっと目的のはっきりした言葉に変えるほうが現実的です。言葉の選び方は「キーワード選びの基本」で解説しています。自分の読者に関係のない言葉だと分かったら、書かないのも立派な判断です。

意図が混ざっている言葉の場合は、どの意図の人に向けた記事なのかを最初の段落で明確にしましょう。「この記事は、〇〇を初めて検討する人向けです」と一文あるだけで、読者は自分に合う記事かどうかをすぐ判断できます。


6. よくある誤解・失敗例

検索意図についてよく見かける誤解を5つ挙げます。

誤解1:上位の記事をまねすれば上位に入れる

上位の記事の見出しを集めて1本にまとめる方法は、手軽ですが危うい面があります。Googleの「ユーザー第一のコンテンツ」に関するガイドは、見直すべき兆候として、価値を付け加えずに他の人の意見を主に要約していないか、という問いを挙げています。検索結果は「何が求められているか」を知るために見るもので、写すためのものではありません。

誤解2:上位の記事より長く書けば勝てる

同じガイドには、Googleが優先する文字数があると聞いて特定の文字数に合わせて書いていないか、という問いがあり、そのような設定は存在しないと明記されています。長さではなく、読者の目的を果たせるかどうかで判断しましょう。

誤解3:1回見れば、それで終わり

2章で見たとおり、言葉の意味は時間とともに変わることがあります。季節によって求められる答えが変わるテーマもあります。大事な記事の言葉は、ときどき検索し直してみてください。

誤解4:検索意図は必ず1つに決まる

多くの言葉には複数の意図があります。無理に1つに決めつけるより、「いちばん多そうな意図」と「ほかにもいそうな意図」を分けて考え、記事の中でどこまで扱うかを決めるほうが自然です。

誤解5:AI による概要が出ている言葉は、書いても無駄

AI による概要が出ていても、その中にはウェブページへのリンクが表示されますし、詳しく知りたい人はページを開きます。クリックが減る現象と、それでも検索に出る価値については「ゼロクリック検索とは」で整理しています。なお、ここで扱っているのはGoogle検索の話で、ChatGPTなどほかのAIサービスは仕組みが異なります。

参考・引用: 有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 - Google 検索セントラル Search Quality Rater Guidelines(英語・PDF) - Google


7. 自分のサイトで確かめるには

すでに書いた記事がある場合は、次の順で見直せます。

  1. 記事のメインの言葉で、もう一度検索する — 4章の手順で、いまの検索結果と自分の記事の形が合っているかを確かめます
  2. Search Consoleで、記事が実際に表示されている言葉を見る — 狙った言葉とは違う言葉で表示されていたら、読者が求めているものが想定とずれているサインかもしれません。基本の見方は「Search Consoleの最初の1時間」で紹介しています
  3. 言葉ごとの意図をまとめて見る — 候補の言葉が多いときは、LinkSurgeのキーワードサジェストのように、検索語ごとに検索の目的の分類を一覧で確かめられるツールもあります

AI による概要が出ている言葉で、どのページが引用されているかを見比べたいときは、LinkSurgeのAI Overview分析で、キーワードごとに概要の内容と引用元を確かめられます。手作業で何十語も検索するのが大変になってきたら、こうした道具に任せるのも一つの方法です。

自分のサイトがすでにどんな言葉で表示されているかを一覧にしたい場合は、LinkSurgeのランクインキーワード分析が使えます。手順は「自社サイトはどんなキーワードで検索されているのか」をご覧ください。


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確認チェック

問1:検索意図とは何ですか?

答え:ある言葉で検索した人が、本当は何を知りたいのか、何をしたいのか、という目的のことです。

問2:Googleの説明では、「自転車修理店」と「最新の自転車」で、検索結果にどんな違いが出やすいとされていますか?

答え:「自転車修理店」ではローカル検索結果が出やすく画像は出にくい、「最新の自転車」では画像が出やすくローカル検索結果は出にくい、とされています。

問3:上位の記事の見出しを集めて1本にまとめる方法には、どんな問題がありますか?

答え:価値を付け加えずに他の人の内容を要約した記事になりやすい点です。Googleは、そうしたコンテンツを見直すべき兆候の1つとして挙げています。


よくある質問(FAQ)

検索意図はどうやって調べればいいですか?

いちばん手軽なのは、その言葉で実際に検索して、結果ページを見ることです。ページ全体にどんな部品が出ているか、上位にどんな種類のページが並んでいるか、タイトルに共通する切り口は何かを確かめます。すでにサイトがあれば、Search Consoleで記事が表示されている言葉も参考になります。

自分の画面で見た検索結果は、ほかの人と同じですか?

同じとは限りません。Googleは、検索結果が所在地・言語・デバイスなどによって変わると説明しています。ログインしていない状態で確かめると、予測入力に自分向けの候補が混ざるのは避けられますが、それでも自分の画面は一例として扱うのが安全です。

上位にブログ記事が1つもない言葉では、記事を書かないほうがいいですか?

その言葉で上位を目指すのは難しい可能性が高いといえます。商品ページやお店のページが並んでいるなら、記事ではなくそうしたページを整えるほうが目的に合っています。記事を書くなら、目的がはっきりした別の言葉を探すのも方法です。

検索意図の分類名は覚える必要がありますか?

必須ではありません。分類名は考えを整理するための道具です。それよりも、同じ言葉でも人によって目的が違うかもしれないと考え、実際の検索結果で確かめる習慣のほうが役に立ちます。


まとめ:次の記事を書く前に、5分だけ検索結果を眺める

検索意図は、難しい理論ではありません。その言葉で検索する人が何を求めているかを、書く前に確かめることです。いちばん手軽で確かな方法は、実際に検索して、結果ページの部品・上位ページの種類・答えている問いを見ることです。

次に記事を書くときは、書き始める前に5分だけ時間を取り、メモの例のように検索結果を書き出してみてください。そのうえで、上位のページにない自分ならではの情報を1つ決めれば、記事の方向はぐっと定まります。

この記事は第3弾「よくある失敗と、困ったときの対処」の最後の1本です。前の記事は「構造化データとは — 検索エンジンにページの中身を伝える方法」です。言葉の選び方から振り返るなら「キーワード選びの基本」、もっと詳しく知りたい方は「検索意図とは?SEOにおける4つの分類と分析・最適化の実践ガイド」へ進んでください。シリーズ全体の順番は「SEO・GEO・AIO 入門カリキュラム」、言葉に迷ったら「SEO用語集」をご覧ください。

LinkSurgeのAI Overview分析では、キーワードごとにAI による概要の内容と引用元のページを確認できます。

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