キーワード選びの基本 — 検索される言葉と、自分が使いたい言葉は違う

目次
この記事の結論:キーワードは「自分が言いたい言葉」ではなく「読者が打ち込む言葉」から選ぶ
キーワード選びで最初につまずくのは、テクニックではありません。自分が普段使っている言葉と、検索する人が実際に入力する言葉が違う、という単純なずれです。Googleの公式ガイドを読み直して、初心者が押さえたい点を4つにまとめました。
- 検索する人の言葉は、書き手の言葉と違うことが多い — Googleの「SEO スターター ガイド」は、詳しい人と詳しくない人では検索に使う言葉が違うとして、「シャルキュトリ」と「チーズボード」の例を挙げています。社内用語や業界用語は、読者の言葉とは限りません
- ただし、言い回しを全部そろえる必要はない — Googleは、言語マッチングの仕組みがページと検索語の関連を理解できるため、まったく同じ語句をページに入れる必要はないと説明しています。大事なのは単語の一致より、読者が知りたいことに答えているかです
- 検索者の言葉は、無料の道具で集められる — Googleの予測入力、検索結果の下に出る関連検索、Search Consoleの検索クエリ、Googleトレンドなどで、実際に使われている言葉を確かめられます
- 数字は「目安」として使い、詰め込まない — 検索ボリューム(月に何回検索されるかの推定値)は判断材料の1つにすぎません。選んだ言葉をページに何度も繰り返すことは、Googleのスパムに関するポリシーに反します
以下では、ずれが生まれる理由から、言葉の集め方、選び方の手順、使い方、よくある失敗まで順に見ていきます。
1. キーワードとは何か
一言でいうと「読者が検索窓に打ち込む言葉」
キーワードとは、検索する人がGoogleなどの検索窓に入力する言葉のことです。実際に入力された言葉を「検索クエリ」、そのうち自分が狙うと決めた言葉を「キーワード」と呼び分けることもありますが、ほぼ同じ意味で使われています。
キーワード選びとは、「このページは、どんな言葉で探している人に届けたいのか」を決める作業です。お店でいえば、看板に何と書くかを決めるのに近いかもしれません。看板に「当店はヴィエノワズリー専門店です」と書いても、通りがかりの人が探しているのは「クロワッサン」かもしれないわけです。
なぜ言葉選びが検索に関係するのか
Googleは、検索結果の順番を決める仕組みの説明の中で、情報の関連性を判断する「最も基本的なシグナル」は、検索クエリと同じキーワードがコンテンツに含まれているかどうかだと書いています。キーワードが見出しや本文に使われていれば、そのページは関連性が高い可能性がある、という説明です。
一方で、Googleは同じページで、言い回しが違っても意図が同じなら結び付けられるとも説明しています。例として挙がっているのは「ノートパソコンの明るさ変更」と「ノートパソコンの明るさ調整」です。
つまり、言葉の一致は入口として大切ですが、一字一句そろえるゲームではありません。この2つを両方押さえておくと、キーワード選びで迷いにくくなります。
参考・引用: Google によるランキング結果の決定方法 - Google 検索 Google 公式 SEO スターター ガイド - Google 検索セントラル
2. 「自分の言葉」と「検索される言葉」はなぜずれるのか
Google自身が例を挙げている
SEO スターター ガイドには「読者の検索キーワードを予測する」という項目があります。そこでは、そのトピックをよく知っている人と、よく知らない人では、検索に使うキーワードが違うかもしれないと書かれています。挙げられている例は、「シャルキュトリ」と検索する人もいれば「チーズボード」と検索する人もいる、というものです。
私がこの一節を初めて読んだとき、SEOの話というより、人に何かを説明するときの基本だなと感じました。詳しい人ほど、正確で専門的な言葉を使います。けれど、検索する人の多くは、その分野に詳しくないからこそ検索しているわけです。
ずれが生まれやすい4つのパターン
日々いろいろなサイトのキーワードを見ていると、ずれ方にはいくつか決まった型があります。以下は説明のための架空の例です。
| パターン | 書き手が使いがちな言葉 | 読者が検索しそうな言葉 |
|---|---|---|
| 専門用語と日常語 | 高気密高断熱住宅 | 冬 家 寒い 対策 |
| 商品名と悩み | 〇〇式 姿勢矯正チェア | 在宅ワーク 腰痛 椅子 |
| 社内の呼び名と一般名 | 顧客ポータル | 会員ページ ログインできない |
| 正式名称と略称 | 個人型確定拠出年金 | iDeCo |
表を見ると分かるように、ずれは「漢字かカタカナか」のような表記の違いだけではありません。もっと大きいのは、関心の入口の違いです。書き手は「何を提供しているか」から考え、読者は「何に困っているか」から検索します。
表記の違いは、Googleがある程度吸収してくれる
SEO スターター ガイドは続けて、すべての検索方法を予測する必要はないと書いています。Googleの言語マッチングの仕組みは、ページとさまざまな検索語句との関連性を把握できるため、ページにそのとおりの語句を使う必要はない、という説明です。
Googleの生成AI機能向けのガイドでも、AIシステムは類義語や探しているものの一般的な意味を理解できるので、「ロングテール」キーワード(細かく具体的な検索語)が足りないのではと心配したり、言い回しをすべて押さえたりする必要はない、という趣旨が書かれています。
ですから、「iDeCo」と「イデコ」と「個人型確定拠出年金」を全部ページに散りばめる必要はありません。気にするべきなのは、読者が「どの入口から来るか」のほうです。
参考・引用: Google 公式 SEO スターター ガイド - Google 検索セントラル Google 検索における生成 AI 機能に向けた最適化のための Google ガイド - Google 検索セントラル
3. 検索される言葉はどうやって集めるのか
ずれの正体が分かったところで、次は読者の言葉を集める方法です。最初は、お金のかからない方法で十分です。
方法1:Googleの予測入力を見る
検索窓に言葉を入れ始めると、続きの候補が表示されます。これが予測入力(オートコンプリート)です。Googleのヘルプによると、予測入力の候補には、Googleでこれまでに行われた実際の検索が反映されています。
ただし、候補はクエリの言語、検索している場所、注目を集めている話題、そしてその人の過去の検索も考慮して決まります。自分の画面に出た候補が、全員に同じように出るとは限りません。候補は「多くの人がこう続けて検索しているらしい」という手がかりとして使いましょう。
方法2:検索結果の下の「関連する検索」と「他の人はこちらも質問」を見る
実際に検索すると、結果ページの途中や下のほうに、関連する質問や検索の一覧が出ることがあります。Googleの視覚要素ギャラリーでは、これらを「探索機能」と呼び、表示内容をサイト側で制御することはできないものの、サイトで扱うトピックを考えるときには関連検索に注目するとよい、と書いています。
方法3:Search Consoleの検索クエリを見る
すでにサイトがあるなら、いちばん確かな材料は自分のサイトのデータです。Search Console(Googleが無料で提供するサイト管理ツール)の検索パフォーマンスレポートでは、サイトがどのような検索クエリで検索結果に表示されているかを確認できます。想定していなかった言葉で表示されていることに気づくのは、よくあることです。基本的な見方は「Search Consoleの最初の1時間」で紹介しています。
方法4:Googleトレンドで言葉どうしを比べる
Googleトレンドでは、2つ以上の言葉の検索の人気度を比べられます。ただし表示される数字は検索回数そのものではありません。ヘルプによると、地域と期間ごとの検索全体に対する割合をもとに、0〜100の範囲に換算した相対的な値です。「どちらの言い方のほうがよく検索されているか」「季節で波があるか」を見るのに向いています。
検索ボリュームを知りたいときは
月に何回検索されているかの目安は、Google広告のキーワードプランナーのような道具で調べられます。Googleのヘルプも、表示されるのは月間検索数の「見積もり」だと説明しています。LinkSurgeのキーワードサジェストのように、1つの言葉を含む検索語を、検索ボリュームなどと一緒に一覧にできるツールもあります。
もう1つ、道具ではありませんが見落とされがちな情報源があります。お客様からの問い合わせメールや、営業担当が受ける質問です。そこに書かれている言葉は、まさに読者の言葉そのものです。
参考・引用: Google の予測入力候補の仕組み - Google 検索 ヘルプ Google 検索の視覚要素ギャラリー - Google 検索セントラル 検索パフォーマンス レポート(検索結果): 概要と基本設定 - Search Console ヘルプ Google トレンドのデータに関するよくある質問 - トレンド ヘルプ キーワード プランナーを使う - Google 広告 ヘルプ
4. キーワードを選ぶ手順
言葉が集まったら、次の5つの手順で絞り込みます。
ステップ1:ページの目的を1行で書く
「このページを読んだ人に、何をしてほしいか」を先に決めます。資料請求をしてほしいのか、使い方を理解してほしいのか、お店に来てほしいのか。目的が決まらないままキーワードを選ぶと、検索数の多さだけで選んでしまいがちです。
ステップ2:読者の困りごとを書き出してから、言葉を集める
いきなり道具を開く前に、読者がどんな状況で検索するかを箇条書きにします。そのうえで、前の章の方法で言葉を集めます。順番を逆にすると、道具が出した候補の量に圧倒されて、目的と関係のない言葉まで拾ってしまいます。
ステップ3:候補の言葉で、実際に検索してみる
候補が決まったら、必ず一度その言葉で検索して、どんなページが並んでいるかを見てください。同じ言葉でも、並んでいるのが解説記事なのか、商品ページなのか、お店の地図なのかで、作るべきページは変わります。この確かめ方は「記事を書く前に検索結果を見るべき理由」で、手順を追って解説しています。
ステップ4:数字は「目安」として比べる
検索ボリュームは、多ければ良いというものではありません。以下は架空の例です。
| キーワード(架空の例) | 月間検索ボリューム(架空) | 読み取れること |
|---|---|---|
| 断熱 | 20,000 | 意味を知りたい人、工事を考えている人、学生など目的がばらばら |
| 断熱リフォーム 費用 | 1,500 | 工事を検討していて、予算を知りたい人が多そう |
| 築30年 断熱リフォーム 費用 マンション | 50 | 状況がはっきりしていて、答えるべき内容が絞りやすい |
数字の大きい言葉は届く人が多い反面、目的がばらばらで、競争も激しくなりがちです。始めたばかりのサイトなら、検索数はほどほどでも、自分が確かに答えられる言葉から書くほうが現実的です。
ステップ5:同じ目的の言葉は1ページにまとめる
「断熱リフォーム 費用」と「断熱リフォーム 値段」のように、言い方が違うだけで知りたいことが同じなら、別々のページにせず1ページで答えます。2章で見たとおり、Googleは言い回しの違いをある程度理解できるからです。
言葉の広げ方と、広げた言葉を書く順番に並べる方法は「キーワードはどう広げるのか — サジェストで「検索者の言葉」を集める方法」で詳しく扱っています。すでにサイトがある場合は、新しく書く前に、今どの言葉で何位に出ているかを確かめるのが近道です。LinkSurgeのランクインキーワード分析を使った棚卸しの方法は「自社サイトはどんなキーワードで検索されているのか」で紹介しています。
参考・引用: キーワード プランナーを使う - Google 広告 ヘルプ Google 公式 SEO スターター ガイド - Google 検索セントラル
5. 選んだキーワードはどう使うのか
選んだ言葉は、ページの中で自然に使います。具体的には以下を押さえます。
- タイトルと見出しに、読者の言葉で入れる — タイトルは検索結果に表示され、読者がクリックするかどうかを決める部分です。書き方は「title と meta description の役割」で解説しています
- 本文では、読者の疑問に答える流れの中で使う — 1つの言葉を何回入れるか、という数え方はしなくて大丈夫です
- 専門用語を使うなら、読者の言葉で言い換える — 「高気密高断熱(すき間が少なく、熱が逃げにくい家)」のように、両方の言葉を橋渡しします
反対に、気にしなくてよいこともあります。SEO スターター ガイドの「Google が重要でないと考えること」には、Google検索はキーワードのメタタグ(ページのHTMLにキーワードを書き込む欄)を使っていないこと、ドメイン名やURLの中のキーワードだけでは、パンくずリストに表示される以上の効果はほとんどないことが書かれています。
そして、同じ言葉を何度も繰り返すことは、言い回しを少し変えていても読者をうんざりさせるうえ、Googleのスパムに関するポリシーに反する「キーワードの乱用」にあたる、とも明記されています。
参考・引用: Google 公式 SEO スターター ガイド - Google 検索セントラル Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー - Google 検索セントラル
6. よくある誤解・失敗例
キーワード選びでよく見かける失敗を5つ挙げます。いずれも、私自身が相談を受ける中で何度も出会ってきたものです。
失敗1:検索ボリュームの大きい言葉だけを狙う
「断熱」のような大きな言葉は、目的がばらばらな人が検索します。どの人にも半分しか答えられないページになりやすく、競争も激しくなりがちです。まずは、目的がはっきりした言葉から書くほうが成果につながりやすいでしょう。
失敗2:社内用語や商品名をキーワードにする
自社の商品名で検索するのは、すでにその商品を知っている人だけです。まだ知らない人に見つけてもらうには、悩みや状況を表す言葉から入る必要があります。名前で探される状態をつくる話は「指名検索とブランド言及とは」で扱っています。
失敗3:キーワードを本文に何度も詰め込む
5章で見たとおり、これはGoogleのスパムに関するポリシーに反する行為です。読みにくくなるうえ、評価を下げる原因にもなります。
失敗4:表記ゆれごとに別のページを作る
「iDeCo とは」「イデコ とは」で別々の記事を作るのは、読者にとってもサイトにとっても無駄が多くなります。同じ目的の言葉は1ページで答えましょう。
失敗5:流行っている言葉だけで記事を書く
Googleの「ユーザー第一のコンテンツ」に関するガイドは、見直すべき兆候の1つとして、既存の読者のためではなく、ただ話題になっているという理由で記事を書いていないか、という問いを挙げています。検索が多い言葉でも、自分の読者に関係がなければ選ぶ理由はありません。
参考・引用: 有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 - Google 検索セントラル Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー - Google 検索セントラル
7. 自分のサイトで確かめるには
最後に、自分のサイトで今日からできる確かめ方を3つ挙げます。
- 自分のページを1つ選び、読者が使いそうな言葉で検索する — 社内での呼び名ではなく、困っている人の言葉で検索して、自分のページが出るかどうかを見ます
- Search Consoleで、実際に表示されている検索クエリを見る — 想定と違う言葉で表示されていたら、それは読者の言葉を知るチャンスです。表示回数とクリック数の読み分けは「「順位」「表示回数」「クリック数」は別物」で解説しています
- 言葉を広げて、書く候補を一覧にする — 予測入力や関連検索を手で集めるのが大変になってきたら、LinkSurgeのキーワードサジェストのように、1つの言葉から検索語をまとめて一覧にする方法もあります

LinkSurge
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確認チェック
問1:Googleの SEO スターター ガイドは、検索に使う言葉が人によって違う例として、どんな言葉を挙げていますか?
答え:「シャルキュトリ」と「チーズボード」です。トピックに詳しい人と詳しくない人では、検索に使う言葉が違うかもしれない、という説明の中で挙げられています。
問2:ページの中に、読者が使いそうな言い回しをすべて入れる必要はありますか?
答え:ありません。Googleは、言語マッチングの仕組みがページとさまざまな検索語句との関連性を把握できるため、そのとおりの語句を使う必要はないと説明しています。
問3:Googleトレンドに表示される0〜100の数字は、検索回数そのものですか?
答え:違います。地域と期間ごとの検索全体に対する割合をもとに換算した、相対的な人気度です。
よくある質問(FAQ)
キーワード選びは、何から始めればいいですか?
まずページの目的を1行で書き、読者がどんな状況で検索するかを書き出します。そのうえで、Googleの予測入力や関連検索、Search Consoleの検索クエリなどで、読者が実際に使っている言葉を集めます。最後に、候補の言葉で実際に検索して、並んでいるページの種類を確かめます。
検索ボリュームが少ないキーワードは、選ぶ価値がありませんか?
価値がないとは限りません。検索ボリュームはツールが出す推定値で、目的がはっきりした具体的な言葉ほど数字は小さくなりがちです。自社の読者の困りごとに合っていて、確かに答えられる言葉なら、検索数が少なくても選ぶ理由になります。
同じキーワードを本文に何回入れればいいですか?
決まった回数はありません。Googleは、同じ言葉を何度も繰り返すことはユーザーをうんざりさせ、キーワードの乱用としてスパムに関するポリシーに反すると説明しています。タイトルと見出しに読者の言葉を入れ、本文では疑問に答える流れの中で自然に使えば十分です。
AI検索が広がっても、キーワード選びは必要ですか?
Google検索に限っていえば、Googleは生成AI機能でも類義語や意味を理解できるので、言い回しのバリエーションをすべて押さえる必要はないと説明しています。ただし、読者がどんな言葉と困りごとで探しているかを知ることは、ページの中身を決めるうえで引き続き役立ちます。
まとめ:まず1ページ、読者の言葉で検索し直してみる
キーワード選びは、書き手の言葉を読者の言葉に翻訳する作業です。予測入力、関連検索、Search Consoleの検索クエリといった無料の道具で、読者が実際に打ち込む言葉を確かめるところから始めましょう。数字は目安として使い、選んだ言葉は詰め込まずに、タイトルと見出しと答えの中で自然に使います。
最初の一歩としては、自分のサイトのページを1つ選び、社内の呼び名ではなく「困っている人の言葉」で検索し直してみるのがおすすめです。
この記事は第3弾「よくある失敗と、困ったときの対処」の1本です。前の記事は成果の測り方を扱う「見るべき数字・見なくてよい数字」、次に読む記事は「スマホ表示とページの速さ — Core Web Vitals を素人向けに解説」です。選んだ言葉で実際に検索結果を見る手順は「記事を書く前に検索結果を見るべき理由」で解説しています。シリーズ全体の順番は「SEO・GEO・AIO 入門カリキュラム」、言葉に迷ったら「SEO用語集」をご覧ください。
LinkSurgeのキーワードサジェストでは、1つの言葉から、実際に検索されている言葉を検索ボリュームなどと一緒にまとめて確認できます。


