見るべき数字・見なくてよい数字 — SEOの成果をSearch ConsoleとGoogle アナリティクスで測る

目次
この記事の結論:数字は「目的」から選び、3つの棚に分けて見る
Search ConsoleとGoogle アナリティクスを開くと、数字が多すぎて、どれを見ればよいのか分からなくなります。私が公式ヘルプの定義を1つずつ確かめて分かったのは、数字そのものより「何のために見るか」を先に決めるほうが、ずっと迷わないということでした。要点は次の5つです。
- 最初に目的を決める — 問い合わせを増やしたいのか、記事を読んでほしいのか、名前を知ってほしいのか。目的によって、いちばん大事な数字が変わります
- 見るべき数字は、検索での出番とサイトでの成果 — Search Consoleのクリック数と表示回数、Google アナリティクスのオーガニック検索からのセッション数とキーイベント(問い合わせや購入など、成果として設定した行動)です
- 参考程度の数字は、単独では判断しない — サイト全体の平均掲載順位、CTR(クリック率)、エンゲージメント率、直帰率は、原因を探す手がかりとして使います
- 見なくてよい数字もある — 外部ツールの独自スコア、キーワードの出現回数や文字数、site:検索の件数、1日単位の上下は、成果の判断には使いません
- 同じ期間・同じ条件で比べる — 先月と今月、前年の同じ月と今月のように、条件をそろえて比べるのが基本です
以下では、目的の決め方、2つの道具の役割、3つの棚の中身、目的別の組み合わせの順に見ていきます。
1. なぜ「どの数字を見るか」で迷うのか
数字が多いのは、道具が親切だから
Search Console(Googleが無料で提供する、検索での見え方を確かめる道具)にも、Google アナリティクス(サイトに来た人の行動を測る、Googleの無料ツール)にも、たくさんの数字が並んでいます。どれも何かの役に立つように用意されたものですが、全部を毎月追いかける必要はありません。
健康診断を思い浮かべてください。検査項目はたくさんありますが、医師は気になる項目から見て、ほかの数字はその説明に使います。SEOの数字も同じで、まず見る数字と、必要なときに確かめる数字を分けておくと、迷わなくなります。
先に「目的」を決める
数字を選ぶ前に、SEOで何を得たいのかを1文で書いてみましょう。
| 目的の例 | いちばん大事な数字 |
|---|---|
| 問い合わせ・購入・資料請求を増やしたい | 検索から来た人のキーイベント(成果の数) |
| 記事を多くの人に読んでほしい | 検索からのクリック数と、読まれ方(エンゲージメント) |
| 会社や商品の名前を知ってほしい | 検索結果に出た回数(表示回数)と、名前での検索の推移 |
目的が決まらないまま数字を集めると、「表示回数は増えたけど、問い合わせは増えていない。これは成功なのか」という話になりがちです。
2. Search ConsoleとGoogle アナリティクスは、見ている場所が違う
検索結果までと、サイトに来てから
Googleの公式ドキュメントは、2つの道具の役割を次のように分けています。
| Search Console | Google アナリティクス | |
|---|---|---|
| 見ている場所 | Google検索の結果の中(検索されてから、サイトに来るまで) | サイトに来てから(どのページを見て、何をしたか) |
| 代表的な数字 | 表示回数、クリック数、CTR、平均掲載順位 | セッション数、エンゲージメント率、キーイベント |
| 何の「正」とするか | 検索でのパフォーマンス | サイト内での行動 |
私はよくお店にたとえて説明します。Search Consoleは「店の前の通りで、看板を見た人と、入ってきた人」を数える道具で、アナリティクスは「店に入ってから、何を見て、何を買ったか」を数える道具です。
2つの数字が合わないのは普通
Search Consoleのクリック数と、アナリティクスのセッション数(サイトへの訪問の単位)は一致しません。Googleは、タグが入っていないページがある、利用者が計測を拒否している、タイムゾーンが違う(Search Consoleは太平洋時間で固定)、といった理由を挙げ、小さな差は通常は無視してよいとしています。
細かい数え方の違いは、第1弾の「「順位」「表示回数」「クリック数」は別物」で解説しました。この記事はその続きとして、「では、どの数字を成果として見ればよいのか」を扱います。
参考・引用: Search Console と Google アナリティクスのデータを SEO に活用する - Google 検索セントラル アナリティクスのセッションについて - アナリティクス ヘルプ
3. 見るべき数字:検索での「出番」と、サイトでの「成果」
ここからが本題です。毎月必ず見ておきたい数字を、道具ごとに挙げます。
| 数字 | 道具 | 分かること |
|---|---|---|
| クリック数 | Search Console | Google検索から、実際にサイトに来た回数 |
| 表示回数 | Search Console | 検索結果に、自分のサイトが出た回数(出番の量) |
| オーガニック検索のセッション数 | Google アナリティクス | 検索から来た訪問が、サイト全体の中でどれくらいあるか |
| オーガニック検索のキーイベント | Google アナリティクス | 検索から来た人が、問い合わせや購入などの成果に至った数 |
| ページのインデックス登録の状況 | Search Console | 大事なページが、検索に出せる状態になっているか |
クリック数と表示回数は「ページ」と「クエリ」で分けて見る
サイト全体の合計だけを見ていると、何が起きたのか分かりません。Search Consoleの検索パフォーマンス レポートには「クエリ」(検索に使われた言葉)や「ページ」のタブがあるので、大事なページ・大事な言葉ごとに見るのが基本です。
キーイベントは「自分で決める成果」
キーイベントは、Google アナリティクスの用語で、ビジネスの成果にとって特に重要な行動を測るイベントのことです。以前は「コンバージョン」と呼ばれていました。
問い合わせフォームの送信、購入の完了、資料のダウンロードなど、何をキーイベントにするかは自分で設定します。設定していなければ、イベント自体は記録されていても、成果(キーイベント)として集計されません。私が新しくWeb担当になった方に最初に確かめてもらうのも、ここです。
Googleの公式ドキュメントは、アナリティクスのランディング ページ(訪問者が最初に開いたページ)のレポートを「google / organic」に絞り込むと、検索から来た訪問者に対して各ページがどれだけ役立ち、成果に貢献しているかを見られる、と紹介しています。
インデックス登録は「健康診断」
ページがGoogleに登録されていなければ、Google検索からの表示回数やクリック数は0のままです(直接のアクセスやほかのサイトからのリンク経由の訪問は、アナリティクスに記録されることがあります)。Search Consoleの「ページのインデックス登録」で、大事なページが登録済みになっているかを月に1回は確かめましょう。見方は「Search Consoleの最初の1時間」と「ページが検索に出ない理由チェックリスト」で紹介しています。
参考・引用: 検索パフォーマンス レポート(検索結果) - Search Console ヘルプ Google アナリティクスのコンバージョンとキーイベント - アナリティクス ヘルプ Search Console と Google アナリティクスのデータを SEO に活用する - Google 検索セントラル
4. 参考程度の数字:原因を探すときの手がかり
次は、見てはいけないわけではないけれど、それだけで良い悪いを決めない数字です。
| 数字 | 道具 | 参考程度にする理由 |
|---|---|---|
| サイト全体の平均掲載順位 | Search Console | 新しい言葉で低い順位に出はじめると、成長していても悪化して見える |
| CTR(クリック率) | Search Console | 順位、検索結果の見た目、言葉の性質で大きく変わり、目安の数値もない |
| 主要な言葉の順位 | 順位チェックツール | 日々動くので、1回の値ではなく推移で見る |
| エンゲージメント率・直帰率 | Google アナリティクス | ページの中身を見直す手がかりになるが、ページの役割によって適正な値が違う |
| 表示回数(ページビュー) | Google アナリティクス | 読まれた量の目安だが、成果とは別 |
| AI機能での表示回数 | Search Console | AI OverviewsとAIモードでの出番の目安。どの言葉で出たかは分からない |
平均掲載順位とCTRは「どこが動いたか」を探すために使う
平均掲載順位は、表示された検索の順位だけを平均した数字です。そのため、新しい言葉で表示されはじめると、サイト全体としては悪化して見えることがあります。Search Consoleのヘルプも、順位の絶対値に加えて、時間の経過に伴う変動、特に突然の変動を把握するよう勧めています。
CTRについても、ヘルプには「何%なら良い」という目安はありません。自分のサイトの同じページ、同じ言葉で、過去と比べるのが現実的です。
エンゲージメント率と直帰率は、表と裏
Google アナリティクスでは、次のどれかを満たした訪問を「エンゲージメントのあったセッション」と呼びます。
- 10秒を超えて続いた
- キーイベントが発生した
- 2ページ以上見られた
エンゲージメント率は、このセッションの割合です。直帰率は、その反対で、エンゲージメントのなかったセッションの割合です。つまり、2つは足すと100%になる表と裏の関係です。
ただ、営業時間や電話番号を確かめるだけのページなら、すぐに用が済んで帰るのは自然なことです。率直に言って、直帰率を全ページ一律で下げようとするのは、あまり意味がありません。ページの役割ごとに見ましょう。
AI機能での表示回数は、Google検索の話として見る
Search Consoleの「生成 AI パフォーマンス レポート」では、AI OverviewsとAIモードに自社のリンクが表示された回数を、ページ別に見られます。ただし、どの言葉で表示されたかは分かりません。これはGoogle検索のAI機能についての数字で、ChatGPTなどGoogle以外のAIでの扱いとは別のものです。読み方は「Search Consoleの「生成AIパフォーマンスレポート」の見方」で解説しています。
参考・引用: 表示回数、掲載順位、クリック数とは - Search Console ヘルプ GA4 エンゲージメント率と直帰率 - アナリティクス ヘルプ 生成 AI パフォーマンス レポート(検索) - Search Console ヘルプ
5. 見なくてよい数字:成果の判断には使わない
最後の棚は、「成果を測る」目的では見なくてよい数字です。面白いのは、このうちいくつかについて、Google自身が公式ガイドではっきり書いていることです。
外部ツールの独自スコア
SEOツールには、サイトの「強さ」や「評価」を独自の点数で示すものがあります。競合と見比べる目安としては便利ですが、Googleの評価そのものではありません。Googleの公式ガイドは、第三者のSEOツールはGoogleの内部のランキングデータにアクセスできない、と書いています。
キーワードの出現回数・文字数
「キーワードを何%入れる」「何文字以上書く」といった数字も、成果の物差しにはなりません。Googleのスターターガイドは、文章の長さに理想的な基準はなく、長さだけを調整しても順位には意味がないと書いています。同じ言葉を繰り返し詰め込むことは、スパムに関するポリシーの違反になりうるとも書かれています。
「E-E-A-Tの点数」
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)は大事な考え方ですが、Googleのスターターガイドは、E-E-A-Tはランキング要因ではないと書いています。点数として測れるものではありません。考え方は「E-E-A-Tとは」で解説しています。
site:検索の件数
Googleで「site:自分のドメイン」と検索すると、件数が表示されます。でも、Googleのドキュメントは、この結果は網羅的ではないと書いています。登録の状況は、Search Consoleで確かめましょう。
1日単位の上下
順位もクリック数も、毎日少しずつ動きます。Search Consoleの最新のデータは暫定値で、あとから変わることもあります。1日の上下で判断せず、週や月の流れで見ましょう。順位が動く理由は「検索順位はなぜ毎日変わるのか」で解説しています。
参考・引用: SEO 業者の利用を検討する - Google 検索セントラル 検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド - Google 検索セントラル site: 検索演算子 - Google 検索セントラル
6. 目的別:見る数字の組み合わせ
3つの棚を押さえたところで、目的ごとの組み合わせ例をまとめます。私が報告書を作るときも、この形を基本にしています。
| 目的 | 毎月見る数字(見るべき) | 動いたときに確かめる数字(参考程度) |
|---|---|---|
| 問い合わせ・購入を増やしたい | オーガニック検索のキーイベント、成果につながるページのクリック数 | 該当ページのエンゲージメント率、主要な言葉の順位 |
| 記事を読んでほしい | 記事ページのクリック数と表示回数、オーガニック検索のセッション数 | CTR、平均掲載順位(クエリ別)、エンゲージメント率 |
| 名前を知ってほしい | 表示回数、社名・商品名での検索のクリック数と表示回数 | AI機能での表示回数、CTR |
比べ方の基本
- 同じ長さの期間で比べる — 先月と今月、前年の同じ月と今月など
- 季節を考える — 年末や長期休暇など、検索そのものが増減する時期がある
- 数字は並べて読む — 表示回数とクリック数と順位を1つの表に並べる
報告は「何をして、どの数字が、どう動いたか」
上司や取引先に報告するなら、数字を並べるだけでなく、その月に何をしたかを書き添えましょう。順位の保証ができない理由は「「必ず上位表示」は誰にも約束できない理由」で解説しています。だからこそ、報告は「やったこと」と「測った数字」の組み合わせになります。
7. よくある誤解・失敗例
誤解1:「アクセスが増えた=SEOが成功した」
検索以外からの訪問(SNSや広告など)が増えただけかもしれません。アナリティクスでは、オーガニック検索からの訪問に絞って見ましょう。Googleの公式ドキュメントも、オーガニック検索の割合が動いたのに、セッション数やエンゲージメントに大きな変化がなければ、ほかのチャネルの増減を疑うよう勧めています。
誤解2:「直帰率が高いページはダメなページ」
答えがすぐに分かるページは、1ページで用が済むのが自然です。ページの役割を考えずに直帰率だけで評価すると、良いページを書き直してしまうことがあります。
誤解3:「ツールの点数が上がれば、順位も上がる」
外部ツールの点数は、Googleの内部データを使ったものではありません。点数を上げること自体を目標にすると、読者のためにならない作業が増えがちです。
失敗1:キーイベントを設定しないまま、数か月たっている
成果を測る仕組みがないと、どれだけ人が来ても「成果が出たか」は分かりません。問い合わせや購入の完了など、成果に当たる行動を最初に設定しておきましょう。
失敗2:毎月違う数字を報告している
先月は表示回数、今月はクリック数、来月は順位、と報告する数字が変わると、良くなったのか悪くなったのか誰にも分かりません。報告する数字は最初に決めて、変えないようにしましょう。
8. 自分のサイトで確かめるには
まずは、次の3つを今月中にやってみてください。
- 目的を1文で書く — 「〇〇の問い合わせを増やす」のように具体的に
- Google アナリティクスでキーイベントを確かめる — 成果に当たる行動が設定されているかを見る
- 大事なページと言葉を5〜10個ずつ書き出す — 毎月この一覧で、クリック数と表示回数を並べる
大事な言葉を選ぶとき、自分のサイトがすでにどんな言葉で表示されているかを知っておくと役立ちます。LinkSurgeのランクインキーワード分析では、ドメインを入れて表示されているキーワードを一覧にできます。
主要な言葉の順位を、日々の検索のぶれに左右されずに追いたい場合は、LinkSurgeの順位チェックツールのように、同じ条件で毎日記録する方法があります。見る頻度の決め方は「検索順位はどのくらいの頻度で見ればいいのか」をどうぞ。

LinkSurge
linksurge.jp
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確認チェック
問1:Search ConsoleとGoogle アナリティクスは、それぞれ何を見る道具ですか?
答え:Search Consoleは、Google検索の結果の中での出番(表示回数やクリック数)を見る道具です。Google アナリティクスは、サイトに来てからの行動(セッションやキーイベント)を見る道具です。
問2:Google アナリティクスの「エンゲージメントのあったセッション」の条件を1つ挙げてください。
答え:10秒を超えて続いた、キーイベントが発生した、2ページ以上見られた、のいずれかです。直帰率は、この条件を1つも満たさなかったセッションの割合です。
問3:外部のSEOツールが出すサイトの点数は、Googleの評価と同じですか?
答え:同じではありません。Googleの公式ガイドは、第三者のSEOツールはGoogleの内部のランキングデータにアクセスできないと書いています。
よくある質問(FAQ)
SEOの成果は、どの数字で測ればよいですか?
まず目的を決めてから選びます。多くのサイトでは、Search Consoleのクリック数と表示回数、Google アナリティクスのオーガニック検索からのセッション数とキーイベントが基本になります。平均掲載順位やCTRは、変化の原因を探す手がかりとして使います。
Search ConsoleとGoogle アナリティクスの数字が合わないのはなぜですか?
2つは数えているものと数え方が違うためです。Googleは、タグが入っていないページ、計測の拒否、タイムゾーンの違いなどを理由に挙げ、小さな差は通常は無視してよいとしています。
直帰率は低いほうが良いのですか?
一概には言えません。Google アナリティクスの直帰率は、エンゲージメントのなかったセッションの割合です。答えがすぐに分かるページでは1ページで用が済むのが自然なので、ページの役割ごとに見るのが現実的です。
SEOの数字は、どれくらいの頻度で見ればよいですか?
成果の判断は、月に1回、同じ期間どうしを比べるのが基本です。1日単位の数字は日々の変動や暫定値の影響を受けやすいため、大きな変化があったときに確かめる程度で十分です。
まとめ:目的を1文で書き、見る数字を5つ以内に絞る
数字は、多く見るほど分かるものではありません。先に目的を1文で書き、毎月見る数字を5つ以内に絞り、残りは「動いたときに確かめる数字」として棚に置いておきましょう。成果の判断に使わない数字を決めておくことも、同じくらい大切です。
この記事は第3弾「よくある失敗と、困ったときの対処」の1本です。前の記事は「「必ず上位表示」は誰にも約束できない理由」、次に読む記事は「キーワード選びの基本」です。順位が下がったときの動き方は「「順位が下がった」とき最初に確認すること」、シリーズ全体の順番は「SEO・GEO・AIO 入門カリキュラム」、言葉に迷ったら「SEO用語集」をご覧ください。
LinkSurgeの順位チェックツールでは、大事なキーワードの順位とAI Overviewsでの引用を、同じ条件で毎日記録できます。


